差別の構造の破壊
向山実践を貫くのは、「差別を許さない」という思想である。その思想を具体化するために向山氏は何をするか。「差別の構造の破壊」である。
「差別の構造」とは何か。
それでは、「差別の構造」はどのようにしたら破壊できるのか。
向山氏は次のように言う。











「優等生」しか活躍できないシステム、「優等生」に寄りかかった授業、「できる子」「できない子」が固定されていく教室、それらをつくり出している教師・・・・。これらが「差別の構造」である。この構造が残っている限り、差別は再生産されていく。
 だから、「差別の構造」に目をむけ、これを破壊しなければならないのだ。
 「差別の構造」を破壊するためには、どの子にも読み書き計算の力をしっかりつけること、どの子も伸びていくという事実を示し続けること、教師が自己否定の精神を持ち続けることが不可欠の条件である。
教師としての力量が劣る教師は・・・・・それは必然的に差別者です。(中略)「あいつは跳び箱ができない」「あいつは計算ができない」「あいつの絵は下手だ」など子供たちが心の奥底で友人を評価している時、そんなことを払いのける事実を生むことこそが、差別を崩していくのです。そしてそういう闘いをできるのは教師だけなのです。
 差別の構造をなくしていくには、教師がその中心になること、そして教師の技量を絶えず高めていく勉強と努力をすること、そしてかなりの結果が出たとしても、なお自分の弱さを否定していける謙虚さと自己否定の精神を持ち続けること、これは差別をなくしていく教師なら、誰でも持たなければならない前提です。
(「いじめの構造を破壊せよ」明治図書 25〜26ページより引用)
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